
育休を延長したいと思っているんだけど、職場とかママ友とかからよく思われていない気がするんだ・・



「育児休業給付金延長の審査が厳格化された」のに伴って、育休延長に対して厳しい意見を言う人も増えているよね
「育休を“わざと延長”するなんてズルくない?」
こんな声に、ちょっとドキッとした方もいるかもしれません。
育児と仕事の両立は本当に大変。
それなのに「ズルしてる」なんて思われたらどうしよう…。
正当な理由があっても、まわりの目や会社との関係が気になりますよね。
この記事では、「育休延長を“わざと”していると思われないためにどうしたらいいのか?」というモヤモヤを、制度の最新情報とともにわかりやすく解説します。



2025年からの制度変更もふまえつつ、“正しく”“安心して”育休を使い切るためのヒントになれば幸いです
育休延長「わざと」は本当にズルいの?
育休って、育児と仕事を両立するための大事な制度ですよね。
でも最近「育休をわざと延長してるんじゃないか?」と疑われるようなケースが話題になってるのをご存知ですか?
特に、保育園に“わざと落選する”ことで育休を延ばして、給付金を受け取り続ける…という話を耳にしたことがある人も多いかもしれません。



これって、何が問題なの??詳しい事情を知りたい



ここでは実態や背景を、わかりやすく解説していくね
①「わざと落選」問題とは


「わざと落選」とは、倍率の高い保育園にだけ申し込んで、あえて“保育園に入れなかった”という状況を作ることです。
これにより「保育園が決まらない=育休延長OK」という理屈が成立し、育児休業給付金も延長して受けられることに。
厚生労働省は、“わざと落選”という制度の趣旨から外れた申請への対応を強化する動きを見せており、2025年度からは審査の厳格化がスタートしています。



本来、育休制度は“保育できる環境が整うまで”の一時的なサポートなので、「落選狙い」は悪用に近いと見なされがちです
② よくある延長理由とグレーなケース
もちろん、すべての育休延長が問題というわけではありません。
- 希望した全ての保育園に本当に落ちた
- 配偶者が体調を崩して育児が難しい
上記のように納得できる理由があれば、正当な延長として認められます。
しかし「保育園の申し込み数が極端に少ない」「希望条件が厳しすぎる」といった場合には「わざと?」と疑われるケースも。
この“グレーゾーン”が、問題の根っこになっています。
③ 厚労省の審査厳格化の背景
「落選狙い」への対応として、2025年4月から育休延長に関する審査が厳しくなっています。



これは制度を健全に保つためには仕方ない流れかもしれませんね
詳しい育児休業給付金の支給対象期間延長手続き変更点は、こちらまで読み飛ばしてください。
④ 実際にあったトラブル事例
SNSや口コミを見てみると、「育休延長を申し出たら、上司に嫌な顔をされた」「保育園に落ちたのに“わざとだろ”と陰口を言われた」といった話も見かけます。
とは言え私も職場への配慮に関してはノーストレスで育休延長して連続育休取れてるのは今の勤め先だから
— ユキ (@yuki_030809) August 25, 2023
前職は育休延長したり奥さんの出産で旦那さんが仕事休むことを上の人たちは陰口言ってて、権利として認められてるのにいけないことなんだなって思ってた
古い考え方の人が抜けないと厳しいよね
うちの職場って母子保健に携わってるのに、育休延長になった人に対して陰口めっちゃ言うような職場だからそりゃあ働きにくい職場だわな
— あちよ (@achiyochiyo_g) October 5, 2022
住民さんには育休取得促進〜〜とかなんとか言ってるのに職場の人には厳しいっていう



制度上は合法でも、周囲の理解が追いついていないと、精神的にしんどい思いをすることもあるよね



だからこそ「どう見られるか」を気にする人も増えているよ
育休延長したい場合はいつまでOK?制度の基本を確認



そもそも育休っていつまで延長できるの?
いざ育休を延ばそうとすると、基本的な制度について気になってきますよね。
実は、育休制度には“延長OK”なルールがしっかり定められています。



ここでは制度の基本をおさらいしながら、「どこまでが正当なのか?」についてまとめました
① 育児休業は最長でいつまで?
育児休業は原則、子どもが1歳になる前日まで。
ただし条件を満たせば、1歳半、さらに2歳まで延長することが可能です。
つまり最長で 「2歳の誕生日の前日まで」 育休を取れます。



ただしこの延長には条件があるので、誰でも自動的に2歳まで取れるわけではありません
② 延長が認められる正当な理由
延長が認められるためには、主に以下のような「やむを得ない事情」が必要です。
- 保育所に入れなかった(=待機児童)
- 配偶者が病気やケガなどで育児できない
- 子どもに障害がある、病気がちで集団保育が難しい
特に一番多い延長理由は「保育園に入れなかったから」というケース。
ただし、「希望園が1つだけ」「条件が厳しすぎる」といった場合は、審査でひっかかることもあるので注意が必要です。
③ 育児休業給付金の支給条件
育休中に支給される「育児休業給付金」も、延長する場合は引き続き受け取れる場合があります。
ただし、以下の条件を満たす必要があるので確認しましょう。
- 延長の理由が認められる
- 雇用保険の被保険者である
- 就労していない or 所定労働時間が短い
また1歳以降は、延長期間によって月額の支給率が少し下がるので要チェックです。
④ 再延長する場合の注意点
「1歳半まで延長 → さらに2歳まで延長」といった “再延長” の場合、手続きがもう一段階ややこしくなります。
再延長にも証明書提出が再度必要になりますし、職場やハローワークへの申請タイミングも重要。
提出が遅れると、給付金が止まってしまうことも。



「延長するかも?」と思ったら、早め早めの準備をしておくことが大事です!
【2025年4月】育児休業給付金の支給対象期間延長手続き厳格化に注意!
育児休業給付金の支給対象期間延長について、今までは比較的ゆるかった制度が、2025年4月から以下の部分が大きく変わりました。
- 新しい審査ルール
- 提出書類の追加



「わざと保育園に落選して延長を狙う人がいる」という指摘が増えてきたからなんだよね・・?詳しい変更点を知りたいな



ここでは変更内容や手続きの違い、今後気をつけるべきポイントをまとめてお伝えするね
① 新しい審査ルールとは
これまで育休延長の審査は自治体によってばらつきがあり、中にはわざと落選できるようにサポートしてくれる自治体もありました。
しかし、これから育児休業給付金の支給対象期間を延長する場合は、以下のような項目をチェックされるようになります。
- 原則として子が1歳に達する日の翌日以前の日を入所希望日として入所申し込みをしていること
- 申し込んだ保育所等が、合理的な理由なく自宅から通所に片道30分以上要する施設のみとなっていないこと
- 市区町村に対する保育利用の申し込みに当たり、入所保留となることを希望する旨の意思表示をしていないこと
以上1〜3を全て満たし、公共職業安定所(ハローワーク)所長から認められる必要があります。



“落ちるための申請”をしていないか厳しく見られるようになったんだね



「速やかな職場復帰のために保育所の利用を希望している」と判断される必要があるよ
その他詳しい要件は、こちらもご覧ください▼
② 提出書類の追加と手間の変化
これまでより、提出する書類の数も増えています。
- 育児休業給付金支給対象期間延長事由認定申告書
- 市区町村に保育所等の利用申し込みを行ったときの申込書の写し
- 市区町村が発行する保育所等の利用ができない旨の通知
また、書類不備や証明不足で差し戻されるケースも増えるかもしれません。
▼申告書の書類サンプルはこちら



自治体やハローワークから出ている説明をよく確認し、職場ともしっかり連携を取っておく必要が大切です
③ 新制度で審査が通らないNGパターン
以下に該当する場合、育休延長が認められないリスクがあります。
- 明らかに倍率の高い園だけを選び、他園を全く希望していない
- 「通園が現実的でない」遠方の園をあえて選択
- 入所内定が出た園を辞退した履歴がある
- 申請時期や希望日が制度上の基準に適合していない
- 申請書内に曖昧な理由しか書いていない(例:「評判が良いから」など)
(おまけ) 今後の給付制度の方向性
2025年度から、父親が出生後8週間以内に14日以上育休を取得すると、育児休業給付金が従来の67%に加え13%上乗せされ、手取りで賃金の約100%相当が支給されます。(最大28日間分)
この改正は、父親の育児参加を促進し、家族全体の育児負担を軽減することが目的です。



ただし、「正しく使われること」が前提のため、延長申請については今後さらに厳格なルールになる可能性もあります
「わざと落選」と思われないためにできる3つのこと



もし保育園に落ちたとき、確実に育児休業給付金をもらうためにはどんなことができるのかな?



給付金をもらうためには、ハローワークから「わざと保育園の落選を狙った」と思われないようにする必要があるよ
仕事に復帰したいから保育園に申し込むけど、万が一落ちたときに給付金をもらえないと困る!!という方向けに、「わざと落選」と思われない工夫をまとめました。
① 保育園を選んだ理由を説明できるように
ハローワークや自治体から問い合わせが来た際、”なぜこの園を選んだのか”を正当な理由で説明できないと「わざと落選を狙っている」と判断される可能性が。
申請する保育園が少ない方の中には、「本当に入りたいと思える園以外は申し込みたくない」という方もいるでしょう。
その場合でも給付金の支給対象期間を延長できるよう、合理的な理由を準備しておくことが大切です。
- 自宅または職場からの距離が近く通園がしやすい
- 他に通える認可園が物理的・地理的に存在しない
- 保育時間が勤務と合致しており復職に支障がない
- 見学の際、〇〇の特色に惹かれた
- きょうだいが通っている
- 子どもの体調・特性に対する受け入れ体制が整っている
など



「近隣でも同じような園がありますよ」と突っ込まれないようにしましょう
② 申請書類は正確&丁寧に
記入漏れや曖昧な内容は疑念を招きやすくなります。
添付書類も含めて、なるべく不備のないように余裕をもって準備しましょう。
③ ハローワークに直接質問
最も確実な方法は、ハローワークや役所に直接問い合わせることです。
制度改正前のような、いわゆる”落選のサポート”は受けられませんが、審査の基準・制度の詳細についての説明は受けられる場合もあるので、心配な方はまず問い合わせてみることをおすすめします。



我が家もハローワークへ直接質問したことがありますが、濁されることなくしっかり質問に答えてもらえました
育休延長で職場との関係が悪化しないための方法



役所への申請も心配だけど、育休延長を「職場に申し出るときの反応」も気になってるんだ・・
「また休むの?と思われるのが不安」「同僚や上司の負担を考えると、なかなか言い出しづらい…」という声もよく聞きます。



ここでは、育休延長で職場との関係を悪化させないためにできることを紹介するよ
① 延長の理由を丁寧に説明する
まず大事なのは、正直に・丁寧に理由を伝えること。
「保育園が見つからなくて延長せざるを得ない」「夫婦で協力しても物理的に厳しい」など、事情をしっかり説明すれば、理解を得られやすくなります。
曖昧な説明や、ギリギリの連絡は不信感を生みやすいので、できるだけ早めに共有しましょう。
② 復職時期の目安もセットで伝える
ただ「延長します」とだけ言うよりも、「◯月までに復職する予定です」と目安を伝えると職場側も計画が立てやすくなります。
そのうえで「状況が変わる可能性もありますが、◯月時点で再度ご相談させてください」といったクッションを入れておくと、より丁寧な印象です。
③ こまめに連絡をとる姿勢を見せる
育休中も時々近況を報告する・職場の様子を聞くことで、「関係が切れていない」という安心感を与えられます。
全員と連絡を取る必要はありませんが、直属の上司やチームリーダーには、数ヶ月に一度でもメールや電話で「元気にしてます」「あと◯ヶ月で復帰予定です」など伝えると好印象です。
④ 感謝の気持ちを忘れずに伝える
最も大事なのが、「ありがとう」の気持ちをしっかり伝えること。
「ご迷惑をおかけしてすみません」と下手に出るよりも、「おかげで子どもと大事な時間を過ごせています」と前向きな言葉で感謝を伝えると、相手の受け取り方も変わってきます。



当たり前なことが多いですが、育児に追われているとつい忘れてしまうことも・・。「職場の協力があるから休みを取れている」ことを忘れないようにしましょう
育休延長に関するよくある疑問Q&A
① 延長中に給付金が打ち切られることはある?
誤った申請内容による育児休業給付金の過誤払いが発生した場合は、受け取った給付金を返金するという事例があります。
- 育児休業から職場復帰していたが、育児休業中として申請をした
- 育児休業中に次の子の産休に入っていたが、育児休業中として申請をした
- 育児休業中に退職していたが、育児休業中として申請をした
- 育児休業中に賃金を得ていたが、収入無しとして申請した
② 第一希望の保育園しか書かないとバレる?
1園しか申し込んでいないと、「本気で入園する気がない」と判断されるケースもあります。
自治体によっては、複数園の申し込みが延長条件ということもあるので、必ず確認しましょう。



ハローワークに直接確認すると回答が得られる場合もあるので、不安な方は確認しましょう
③ 会社が延長を認めないことはある?
法律では、保育園に入れなかった場合などの条件を満たせば、育休の延長は認められることになっています。
ただし、職場によっては人手不足などの理由で育休の延長をよく思わないこともあるでしょう。
実際にハローワークと手続きのやり取りをするのは職場の担当者なので、育休延長の理由をしっかりと説明して納得してもらうことが大切です。
④ 男性も同様に延長できるの?
男性も育休は原則1歳まで、条件を満たすと1歳半・2歳まで延長することが可能です。
また「パパ・ママ育休プラス」という制度があり、以下の条件を満たすと「保育園に入所できない状態」でなくても、子どもが1歳2ヶ月になるまで育休を延長できます。
- 配偶者が子が1歳に達するまでに育児休業を取得していること
- 本人の育児休業開始予定日が、子の1歳の誕生日以前であること
- 本人の育児休業開始予定日は、配偶者がしている育児休業の初日以降であること
まとめ:育休延長は正しく使えば怖くない
今回は「保育園にわざと落ちて育休延長は可能?手続きの注意点と最新制度解説」についてまとめました。



保育園に万が一落ちても、要件通りの申請なら育休や給付金の支給も延長できるんだね



どんな形になっても、せっかく子どもと一緒の時間を長く過ごすなら、お金の心配を少しでもなくしていくべきだよ
本記事が、保育園の申込み・育児休業給付金の支給対象期間延長手続きの際の参考になれば幸いです。
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